双極性障害とうつのお話。

はじめに

私は精神科の専門家ではありませんから、どうしてそうなのか、とか理由はわかりません。ただ私がこの時こう思っていた、ということだけでも書いていこうと思います。傍目にはわかりにくい(らしい)この気分障害といわれる病気の病気たる所以を自らの体験でつづります。

双極性障害やうつは病気です。
「気の持ち様」だの「何でそれが出来てやるべきこれが出来ないの?」だの言わないでください。自分自身がコントロールできないから病院通ってるんです、薬飲んでるんです、やれることしか出来ないんです、病気なんですから。患者自身がそれは一番わかっています、それで苦しんでます。周りの人は心配でしょうが少しずつ病気が治まってるくることを待ってあげてください。年単位になりますが、患者が自殺しない限り必ずよくなる病気です。

こころだってからだです ー中島らもの言葉ー

“そいつ”は体に顕れた

 まず、胃がおかしくなりました。ご飯を食べるとあまりにも胃もたれがするので、内科に駆け込みました。内科の先生は胃薬を出してくれましたが全く改善せず、医者にこういわれました「とも吉さん、いくら薬飲んでも元のストレスを断たないと治らないよ。」と。当時中小企業の印刷屋に勤めていた私にはそんなストレスを感じないなんて出来ませんでした。だって世はどん底の不景気、入社当時よりも給料は少なく、売り上げが上がっていない、というのをまざまざと見ている状態で、いったいどうなるんだろうって考えない方がおかしいですよね。

 そのうちに寝られなくなりました。8時15分には会社に着いてないといけないのに、1時、2時まで寝られないのです。で、会社に着くと猛烈に眠くなって仕事が出来なくなりました。それなのに疲れはどっとたまっていて、駅のホームで、呼び止められ、「魂飛んでる様な顔してるよ」と会社の同僚に言われたこともありました。

 決定的だったのは2時間程記憶がなくなったこと。胃もずっとおかしかったし、これはやばいと思って今度は精神科に駆け込みました。軽く症状を問診され選択式のアンケートに答えて、下された判断は中度のうつ状態を含む「解離性障害」これから投薬が始まりました。

薬を飲んだからといってすぐに安定するわけではない

 おかしな話なんですが効く薬と聞かない薬があるんです。私は四環系抗うつ薬というものが全く効きませんでした。効く薬を探しているあいだに、今度は躁が始まりました。躁と言うと楽しくなるんじゃないかというイメージがありますが、とんでもない。強躁というのは脳の中を巨大なミキサーで引っかき回されているような気持ち悪ーい物なのですよ。でうつになると起き上がれない、外に出られない、日光が痛い。仕事、学校といった緊張状態から解き放たれると、傍目には症状が悪くなった様に思えるそうです。しかしそれは薬で緊張をわざと弛緩してるから。私は1年くらい薬を飲みながらずーっと寝てたように思います。でも私はこの時、病気だ、とは思っていましたが、そんなに大変な病気、だとは思っていませんでした。

意外とやっかいなんだ

精神科の先生は1年2年単位で病気を考えているようです。心の風邪、とはいうものの、身体の風邪のように自己抗体や抗生物質があるわけではないので、かかると治りにくいもののようです。最低1年はかかると思ってください。薬は、飲まないに越したことはないです。あまり薬を出し過ぎたり安定しているのにコロコロ薬を変える医者は蹴った方が良いです。しかし精神系の薬はカクテル状態で飲むので10種20錠/日を超えなければ、出し過ぎ、ということは無いと思います、(経験上、の話です。)あと、薬を出されたら、薬剤師さんにこの薬がどんな薬であるか、ということは必ず聞いてください、物により依存性や急にやめると出る離脱症状という(一種の禁断症状ですな)ものが出る薬もありますので。抗うつ剤には確かに依存性はあまり無いそうです、しかし精神系の薬で軽い依存性のあるものは確実に存在します。大体それらは抗うつ剤と一緒に処方されます。大きく依存性のあるものは医者も注意しますが、そうでない物は医者も慣れで出している場合があります。だから薬剤師さんに必ず聞いてください。ただ依存性のある物でも、多くの人はちゃんとつきあえば、安全に効いてくれます。少しずつ減らせれば依存しないで平気でいられますので安心してください。薬剤師さんと医師を信用しても良いと思います。

鬱より躁の方が怖い

怖いのは鬱より躁です。自殺などを考えて実行にうつしてしまうのも躁の時と考えられます。本当に鬱状態の時は「消えてしまいたい」とは思いますが、それすらやる気にならないので比較的安心ではないかと思います。でも鬱は必ず自殺願望がある、と思って間違いはないので気をつけてください。怖いのは躁のとき(単極性の場合は治りかけ。)精神がまいっているので短絡的になります。浪費したり、無理なスケジュールで旅行を計画したり、ありとあらゆる行動をします。日記とかも書きまくります。しゃべりまくります。楽しそうに見えるかもしれませんが、アブナイです。躁の人を実際に見たら、危なっかしいとふつうの人は思うことでしょう。そして上がったあとは急激に下がります。間違いなく鬱になります。上がり下がりをくりかえしていくうち、家族も、自分も疲れてしまいます。

躁の時家族がすること自分がすること

躁の時、というのは傍目にも判ります。しゃべり方や行動が全然違いますから。周りの人や家族にはできることがたくさんあります。当事者の本人は気づかないことも多いのでまず、「○○上がってるよ!」とちゃんと言ってあげてください。軽躁の人ならここで気づく場合がほとんどです。浪費癖などがある場合はお金を他人が一時管理することも大切です。クレジットは絶対×できれば現金も必要以上に渡さないことが大切です。無理な計画を立てて行動しようとするときは、移動の手段をうばってしまうことも大切です。刃物・紐物は持たせると危険です。(<私は刃物・紐物関係で自傷・自殺未遂はやらなかったけど、やる人もいます。)喋ったり、パソコンの書き込みはなにか事にならない程度なら、聞き流しておきましょう。何でもだめだめ、とやっていると逆に患者がストレスになるから。ただ大事なことを決める時は躁状態の話はとりあえず聞いておいて、後で落ち着いたときにもう一度話をすればよいでしょう。躁状態の言葉はあてになりません。場合によっては医者に頓服の薬を処方してもらっても良いでしょう、早く処置すれば早く嵐は去ります。

大丈夫、必ずなおる病気だから

双極性障害とは一生つきあっていかねばならないものだそうです。
病気にならないために薬は飲んでいかなくてはならないそうです。でも治ります。必ず落ち着くところに落ち着きます。元のようにはもちろんいかない。薬を飲んでいれば疲れが出やすくなるし、周りからは何とも見えなくても深く辛い部分というのはあります。でも、それは病気、というのとはちょっと違う気がします。一種の個性ととらえるのが適切でないかと。薬を飲んでれば病気じゃないか、という人もあろうかとは思いますが、健康のためにサプリメントを飲むのと何のかわりもないと思います。
もちろん薬は飲まないに越したことはないし、できるだけ飲まなくできるように身体を整えたり仕組みを整えたり、というのは大事なんですが、躁でも鬱でもしんどくてしんどくてたまらないのに薬はいけない!と思うのはそれはまだ時期じゃないんじゃないかなと。だから薬飲んで大方普通に生活できるのを確かめてから、体制を整えるというのはものすごく重要な事だと思います。躁鬱の時って(単極の鬱もそのようですが)いっぺんに何でもしようと思いがちです。精神疾患というのは感染症よりもむしろ生活習慣病に近いです。

本当に無理しなければ治るんだから

と、上のこの文章を書いてから3年ほど経ちました。なんと、私は本当に非正規とはいえ普通に会社勤めをしております。社会情勢も大分変化し、精神疾患を抱えていてもある程度なら理解を示してくれる会社もあるようですし、私のように短期間のパートタイマーから始めて自信をつけて勤務形態を変えて今に至った例もあります。だから信じて。で、本当に快方に向かってるなぁ、と思い始めてからで良いんですけれども悪化させないように是非自分の身体を労る、ということを心がけてください。心の健康の為に身体のメンテナンス大事です。適度な運動、充分な休息、バランスのとれた食事、この適度、っていうのがこと躁鬱の人には難しいんですが、毎日の朝晩のストレッチをプラスだけでも個人的には大分、精神衛生上よろしいです。あとは寝る前に携帯とかネットとかテレビを見過ぎないこと。光の刺激が自律神経を狂わせてしまうそうです。一日24時間しかないからやりたいことはいっぱいあるけど身体はそこまでついてきません。仕事を効率よくは出来ても、食べる寝るという原始的な「生活」は効率とは切り離されたものなのです。限界だと思ってあきらめましょう(苦笑)あなたも私も「生き物」であり「なまもの」なのですから。

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